本日の神戸新聞朝刊に掲載されていた東日本大震災のときの74歳の志田満代さんの最後のお言葉。
「孫達家族3人が車に飛び乗った。
足の悪い満代さんもなんとか後に続こうとしたとき、自宅から80メートル先の堤防を津波が乗り越え、音を立てて追いかけてきた。
すべてを悟ったのだろう。
満代さんは「いげ!」と命令し、流されながら声の限りに叫んだ。
「生ぎろよ!
こっちを見るな!
後ろを振りむくなよ、
がんばって生きろよ!
バンザイバンザイ!」
私は現在生後三ヶ月の息子の育児していてます。
この満代さんの子孫を守りたいという最後の叫びがより理解できるようになってきた気がします。
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令和 2年 第5回定例会(第4号 9月11日)振り返り
 
(登壇)皆さん、こんにちは。通告に従い、一般質問を質問させていただきます。
 
 「実効力ある喫煙マナー向上の施策について」。
 
 質問の背景、喫煙マナーの悪さに関する陳情を市民の方からいただいたことをきっかけに、私は、まちの清掃活動をしています。
 
毎日駅周辺を中心にポイ捨てされたたばこ等を拾い続けていますが、一向になくなる気配はありません。
 
歩きたばこやポイ捨てにより、まちの美観が悪化するのみならず、受動喫煙、子どもやペットによる誤飲、川や海に流れた吸い殻で生物たちにニコチンなどの有害物がたまり、それが鮮魚店などに並んで私たちの口に入るという多数の問題をはらんでいます。
 
加古川市においても議会や委員会で、過去に何度もこの問題が取り上げられています。
 
しかし、現場を検証すると顕著な改善は見られないように思います。
 
 そこで、実効力ある喫煙マナー向上の施策を実施していただきたい。喫煙マナーが徹底されている都市、吸い殻の落ちていない景観の良い都市になれば、市のブランド力が向上し、地域住民の満足度も上がり、転出が減少し、転入が増加すると考えることから、以下の質問をさせていただきます。
 
 実効力ある喫煙マナー向上の施策を実施することについてどのようにお考えか、ご所見をお聞かせいただきたい。
 
 以上で、壇上からの質問を終わります。
 
ご清聴ありがとうございました。
 
【答弁】
 
 「実行力ある喫煙マナー向上の施策について」ですが、本市は、平成28年12月及び平成30年12月にJR加古川駅南広場及びJR東加古川駅南広場において、日本たばこ産業株式会社の協力の下、喫煙所を設置しました。その結果、定期的なごみ等の投げ捨てに関する現地調査では、投げ捨てされた吸い殻は、喫煙所設置前の半数以下に減少しており、喫煙マナー向上に一定の効果があることを確認しております。
 
さらに、喫煙マナー向上施策として、ごみゼロの日に合わせた啓発活動やアダプトプログラム等の清掃ボランティアの実施など、市民との協働による取組を行っています。
 
しかしながら、昨年度の市民意識調査では、ポイ捨てやペットのふん害防止施策に対する満足度が低いという結果になっています。
 
 兵庫県下では、神戸市をはじめ9市において、いわゆる、歩きたばこ禁止条例が制定されており、駅周辺等における喫煙を禁止するなど、喫煙そのものを制限する施策が実施されています。
 
また、明石市では、駅前喫煙所の集約や改修を実施するなど、市の実情に応じた様々な取組が進められています。
 
本市においても、引き続き喫煙マナー向上のための啓発活動を粘り強く実施していくとともに、さらなる喫煙マナー向上に向け、他市の事例を参考に実効力のある施策について検討を進めてまいります。
 
 以上で答弁を終わります。
 
【再質問】
 
JTの喫煙所設置により半数以下になったということなんですけれども、具体的な数値があればお願いいたします。
 
【答弁】
 
 まず、JR加古川駅南の周辺でございますけれども、設置前の平成28年12月16日に調査を行っておりまして、そのときには、駅前周辺のたばこをざっと調査したところ、細かい数字ですけど、231本ございましたが、設置直後しばらくして、平成29年2月16日に調査しておりますけれども、そのときに調査しますと、77本と大幅に減少しております。
 
なお、直近では、令和2年2月26日に調査しておりますけれども、63本となっており、その効果は継続していることを確認しております。
 
 それから、JR東加古川駅の駅南側でございますけれども、平成30年12月7日設置前の調査でございますけれども、たばこの吸い殻が約100本ございましたが、設置後の平成30年12月28日には47本と大幅に減少しており、直近の令和2年2月26日の調査におきましても、18本とその効果が継続していることを確認しております。
 
【再質問】
 
今のご答弁のとおり、着実に減少しているということは、私自身も拾わせていただいて、実感しているんですけれども、東加古川駅18本、加古川駅63本、大体こんな感じかなという感じなんですけれども、やっぱり最後の詰めというか、そこから先について、何か顕著な効果を出すための施策とかを考えていらっしゃいますか。
 
【答弁】
 
この問題につきましては、本年の3月の議会でも数人の議員から同様の質問がされておりまして、駅前の美化の関係につきましては、今現在、環境部のほうでも非常に頭を悩ましながら検討している最中でございます。
 
 そのような中、いわゆる投げ捨て等の問題、それから健康増進法が改正されたことによりまして、今はそういった問題に合わせて、受動喫煙にも配慮するというような形での喫煙所の在り方について、環境部だけではなく、企画部、それから福祉部、そして建設部にも入っていただいて、今後の喫煙所の在り方についての方針について協議を進めているところでございます。
 
【答弁】
 
そのことに関して、様々な議員たちが委員会や議会で、千代田区みたいに警察OBを使って取締りに当たったらどうかというお話とか、あるいは、路上喫煙禁止エリアを設定してはどうかというご意見、あるいは見守りカメラを活用して、きちんと過料を徴収してはどうかとかいうご意見がありましたが、そのことに関して、その後半年ぐらいたちましたが何か検証されましたでしょうか。
 
よろしくお願いします。
 
【答弁】
 
今まだそこを検証する、あるいは検討する段階には至っておりませんけれども、議員がおっしゃられるとおり、例えば神戸市等では、姫路市もそうですけれども、路上喫煙禁止区域を設定してというのも一つの方策かと思います。
 
ただ、お隣の明石市のように喫煙所を集約して、人の流れから離れたところに喫煙所を設置して、環境美化と、それから受動喫煙の問題の両方を解決されているという事例もございますので、そのあたりについては十分時間をかけながら、今後どのような方向性がいいのかというのを検討してまいりたいと考えています。
 
【再質問】
 
今のことで、あんまり進んでいないなという感じはしたんですけど、特にやっぱり緊急だと思うのは、以前の議員の発言でもあったんですけれども、加古川駅南口では、病院に行く方々が乗るバスのすぐ近くに喫煙所があって、体調の悪い方々に屋根のない喫煙所から煙がもくもく出ていて、そういうのはいかがかということで、そういう事態は結構緊急性があると思うし、解決するのにそんなに物すごく難しいことではないと思うんですが、何か検討は進んでいるんでしょうか。よろしくお願いします。
 
【答弁】
 
加古川駅南の喫煙所につきましては、設置する当初、様々な場所を検討いたしました。
 
当然、今は病院へ行くシャトルバスの乗り合い所の近くになっているわけですけれども、サンライズビルの前、あるいはポリスボックスの前あたりとか、三、四か所候補を抽出した中で、その設置当時、今はもうなくなっておりますけれども、あの前にパチンコ屋がございまして、その出入口に非常にたばこの吸い殻が散乱しており、その煙の害も非常に顕著であったことから、その動線上に一番近い今のところに設置したものでございます。
 
ただ現在は、そのパチンコ屋が今はなくなっておりますので、病院に行かれる方には、煙の影響が非常にあるんではないかというご意見も多々聞いておりますけれども、物理的に場所をすぐに動かすということもなかなか難しいですので、そのあたりは、喫煙所自体の改修、あるいは、神戸市のように全くなくしてしまうというのも一つの選択肢かと思いますけれども、そういったことを十分勘案しながら、少しご迷惑をおかけしますけれども、検討してまいりたいと考えております。
 
【再質問】
 
確かにすぐ場所を変えるといっても、じゃあ、どこに持っていくんだという話もありますし、あそこは確かに動線上すごくポイ捨てが多い場所です。
 
千代田区では屋根付きの喫煙トレーラーを置くことによって、建築基準法違反にもならず、外に空気は漏れず、中でたばこ吸う人たちもエアコンが効いていて快適なんですけれども、1台1,000万円ぐらいかかるらしいんです。
 
そのことについてのご検討は進んでいるんでしょうか。
 
【答弁】
 
 喫煙トレーラーの件もお話がございましたけれども、実際には費用的な面などの問題もあることから、現在ではまだそこまでの検討はしておりません。
 
【再質問】
 
確かに費用的な問題はありますが、やっぱり健康とか命に関わるものなので、ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。
 
 それからあと、見守りカメラを活用してというお話も過去にありましたけれども、それもなかなか見守っているだけで効果はないということですが、その後その議論が深まったとか、そういうのがございましたら教えてください。
 
【答弁】
 
見守りカメラの件については、協働推進部所管ですので、ちょっと詳細は分かりかねますが、一つの方法だと思います。
 
【再質問】
 
 今は、代わりに答弁しようにも難しいと思いますし、これ以上突っ込んでもしょうがないと思うので、突っ込まないですけれども、では、人員配置について、たばこ税を原資に人員配置を充実する、見回り隊みたいなのを配置するということについての議論は具体的に深まっているかどうかについてお願いします。
 
【答弁】
 
 その件につきましても、例えばの話ですけれども、そこを路上喫煙禁止区域にした上でという話の前提だと理解してお答えいたしますと、その路上喫煙禁止区域を設定することと、それの実効性を高めるということでのセットでの施策だと思いますけれども、それも含めまして、現在検討中でございます。
 
【再質問】
 
 ぜひ検討を継続して、実績を上げていただくとありがたいです。
 
 あと、市民のボランティアの話で、確かに私のところにも清掃活動を手伝うよという申出が多いんですけれども、それを組織化するためのボランティアの活用について、今ちょっとご答弁でありましたけど、具体的にお願いいたします。
 
【答弁】
 
先ほど答弁の中でありましたアダプトプログラムのことかと思いますけれども、これについては、市が管理する道路、あるいは公園等の公共施設について、市民が美化ボランティアとなって管理する、美化ボランティアを支援するということで実施要項に定めてあるものでございます。
 
その登録団体数ですけれども、令和2年度で34団体、登録人数が748人となっております。
 
これは団体ですけれども、これはお一人でも登録していただけますし、個人でも、あるいは企業でも登録できる制度で、登録していただいて、そういった公共施設の美化活動をボランティアでやっていただくというものでございます。
 
【市長】
 
 先ほど議員からもありましたように、この駅周辺の喫煙の件につきましては、3月の議会でもたくさんの議員からご意見をいただいております。
 
コロナ対応等で少し検討がずれたところもあるかもしれませんけれども、内部的にも先ほど環境部長が申しましたように、関係部で集まって議論は進んできているはずでして、一つの節目としましては、来年の冬に加古川駅のほうにつきましては、JTさんとの契約というか協定というか、その期間の満了が来ますから、そこは一つの節目だと思っております。環境部長が時間をかけてと申しましたのも、そこを一つ意識してのことです。
 
ですから、そこに向けて、そもそも駅周辺がもう喫煙できないようにしてしまうのか、その場合には、喫煙者の方からは、私の知り合いの方からも、逆にポイ捨てが増えるんじゃないかというお話があって、そこに対して今おっしゃられたような罰則とか取締りのようなことをして、それが本当に実効性のあるものになるかどうかとか、トラブルになるんじゃないかなとか、そういう課題もあります。
 
 一方で、明石市の事例を挙げられましたけれども、本当に煙が漏れないようなきちっとしたものをどこかに造るのかという話も選択肢だとは思っていますが、そうなると、JRの考え方もあるでしょうし、場所もありそうでなかなか本当に悩ましくて、あそこに設置しているというのも、これまでの経緯としてありますので、お金のコストの問題というよりは、そもそもそういうことを駅周辺にするのかどうかということも含めて、お尻を一つ、来年の5年たつ期間を区切りにして、結論をしっかり出してやっていきたいと思っています。たくさん質問もいただいていますし、ずるずる先延ばしにするつもりはありませんので、何とかまたご理解と建設的なご意見をいただけたらと思っております。
 
よろしくお願いします。
 
【再質問】
 
市長自ら、ずるずるこの問題を続けるつもりはないというご答弁をいただけたので、ちょっと安心しました。
 
 それと、過去のやりとりもありましたけど、JTさんとの協定がある関係上、そんな簡単になくすわけにはいかないという答弁もありましたので、来年のJTさんとの協定が切れた後どうするかということを、切れた時点ですぐに対応できるように、ぜひ今から議論をしておいていただけるとありがたいです。
 
 私が思うのは、路上でポイ捨てする人たちというのは、恐らく自宅とか自宅の庭とかではポイ捨てはあんまりしないと思うんですけれども、その民度といいますか、心の問題だと思うんです。
 
自分の部屋ではしたくないけれども、公共の場ではしてもいいという、はっきり端的に言うと、その民度が低い方がいらっしゃるということについて、担当者としてはどのようにアプローチすればいいか考えていらっしゃいますか。ご意見をお聞かせください。
 
【答弁】
 
これについては、もう先ほども議員がおっしゃったように、心の問題でもありますし、これは粘り強く啓発していくしか方法はないと考えております。ですので、先ほどの答弁の中でも申し上げましたように、ごみゼロの日に合わせた美化啓発活動について、粘り強く継続していきたいと考えております。
 
【最後に】
 
やっぱり心の問題なんです。
 
割れ窓理論という言葉を皆さんは聞いたことがあると思いますけれども、それはある犯罪学者が提唱した理論でして、まちに窓の割れたビルがあって、それを放置しておくと、周りでポイ捨てが始まって、それを放置しておくと、もうちょっと重大な問題、つまり住民のモラル低下で、地域に対して関心を持たない住民が増えてきて、地域が荒廃して、地域の振興を妨げたり犯罪が増加して、さらには地域の市民が行政のやることに対して協力しなくなってきて、そして最後には、凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するという理論です。その理論に対しては、凶悪犯罪とか、そんな単純な問題じゃないだろうという説もあるんですけれども、ある程度実証されておりまして、例えば、東京ディズニーランドとかディズニーシーは、ポイ捨てされた瞬間にすぐに拾うことによって、割れ窓理論を応用して、日本でも珍しい成功したテーマパークになっているわけです。実際、北海道やほかの自治体でも、割れ窓理論を応用して、まちの活性化につなげている事例もあります。
 
例えば、アメリカのデパートの例ですけれども、駅前のごみを徹底的になくして、割れ窓理論の応用で、ポイ捨てを徹底的になくすわけじゃなしに、ストリートのピアノで生演奏するとか、あるいは加古川の場合、演劇を駅前で行う舞台を設置するとか、そういう前向きな方向で市民の意識、割れ窓理論を逆手にとって、地域の問題に市民一人一人が興味を持ち、そして自分たちの地域なんだからきれいにしていこう、行政のやることに協力して、誇りを持てるまちにしていこうという気分を醸成するために、市長や理事者の皆様、市民一人一人、私たち議員一人一人が頑張っていけたらなと思い、質問を終わらせていただきます。