議会における質問の振り返り。
 
平成31年 第1回定例会(第2号 3月 5日)
 
(登壇)皆さん、こんにちは。女性の笑顔で未来を創る会と維新の柘植です。
 
通告に従い、会派を代表して質問させていただきます。
 
 岡田市長におかれましては、「結婚から子育てまで“ぐうっと”応援するまち」をスローガンに、出会い、結婚、出産、子育てを応援する事業を展開するとともに、加古川市の魅力を内外に発信するなど、その行政手腕を大いに評価しております。
 
平成31年度の施政方針においても、基本目標の一つである「安心して暮らせるまちをめざして」では、各世代が安心して充実した生活を送ることができるよう、さまざまな施策に取り組むと決意を表明されています。
 
とりわけ、安心して妊娠、出産、子育てができる支援体制を確保するとの思いで、待機児童解消対策、保育士の確保、私立認可保育所等における看護師配置の促進、児童クラブの質・量ともの充実、向上に取り組むことは、子育て世代にとって働きやすい環境が整いつつあり、さらに充実させるとの市長の思いは大変心強く思います。
 
 このような中、一方では、働き方改革に注目が集まっています。働く子育て世代を周りからサポートすることは重要であり、異論はありませんが、働いている勤労者の地位向上であるとか、働きやすさの追求という勤労者目線での環境改善ということは施政方針には触れられていないように感じました。
 
みずから余暇を楽しみ、ストレスを解消し、仕事に、子育てに頑張れるという勤務環境を充実させることも働く子育て世代を支援する両輪の一つであり、市として取り組むべき重要施策であるとの考えから、働く者の環境改善について、市長のお考えをお聞きします。
 
 現在、我が国では働き方が社会経済構造の変化に対応できず、仕事と家庭生活を両立することは困難です。
 
自己の存在価値や喜びを実感しながら働くことと、明朗・愛和の精神にあふれる家庭を持つことの調和を社会全体で探求する必要があります。
 
この探求なくしては社会の活力を維持しつつ、安心して家庭を持つことができる社会を実現することは難しいです。
 
 かかる社会を実現するために、みずからの意思によって職業生活を営み、または営もうとする女性の個性と能力が十分に発揮されることが一層重要です。
 
このため、女性の職業生活における活躍を推進し、豊かで活力ある社会の実現を図るために、平成27年8月、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法が成立しました。
 
 加古川市においても、女性活躍推進法15条に基づき、一人一人の女性が個性と能力を十分に発揮できる環境を整備することを目的として課題を明確化し、実効性のある行動計画を策定するため、次世代育成支援女性活躍推進加古川市特定事業主行動計画を策定しました。
 
本市の行動計画での女性職員の活躍の推進に向けての数値目標として女性の管理職の割合、男性の育児休業の取得率などが挙げられていますが、現時点での状況と、これからの取り組みに関する目標、決意をお聞かせください。
 
 また、加古川市男女共同参画行動計画の基本方針4、男女が仕事も家庭もともに担う社会づくりに関して、現時点での状況と、これからの取り組みに関する目標・決意をお聞かせください。
 
 以上で、最初の壇上からの質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。
 
【答弁】
 
(市長登壇)   
 
女性の笑顔で未来を創る会と維新を代表しての柘植議員さんのご質問に対しまして答弁させていただきます。
 
 「女性活躍の推進について」のうち、「加古川市特定事業主行動計画について現時点での状況と、これからの取り組みに関する目標・決意」の項目についてですが、本市におきましては、これまでの次世代育成支援に関する取り組みに加え、女性職員が個性と能力を十分に発揮でき、安心して職務に取り組むことができる環境の整備を目的として、平成28年4月に、次世代育成支援女性活躍推進加古川市特定事業主行動計画を改定いたしました。
 
 この計画には、8つの数値目標を掲げておりますが、主な項目の現状として、平成29年度の年次休暇の平均取得日数は目標値14日以上に対し、11.73日、平成30年度の女性管理職の割合は目標値15%以上に対し、14.7%、女性監督職の割合は目標値25%以上に対し、25.9%、男性の育児休業の取得率は目標値10%以上に対し、6.3%となっており、目標値に達していない項目につきましても目標値に近づいてきております。
 
 今後につきましては、本市の女性職員の割合が年々上昇している中、女性活躍を推進していくためには、女性職員の監理・監督職への登用を拡大していくことが不可欠であると考えております。
 
 そのためには、子育てをしながら、職業生活において活躍するロールモデルの確立や男性が育児等の家庭における責任を果たすよう意識改革と働き方改革を進めるなど、さらなる女性活躍に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。
 
 次に、「男女が仕事も家庭もともに担う社会づくりに関して現時点での状況と、これからの取り組みに関する目標・決意」の項目についてですが、平成27年9月に公布施行された女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる女性活躍推進法の趣旨を踏まえ、本市におきましても、平成28年3月に策定した第4次男女共同参画行動計画において、男女が仕事も家庭もともに担う社会づくりを基本目標の一つに掲げ、女性の活躍を推進する環境づくり、仕事と家庭の両立を目指した環境づくりに重点的に取り組んでいるところです。
 
 具体的な施策といたしまして、保育所や児童クラブなど働きながら子育てしやすい環境の整備と充実、女性の再就職や起業を支援するための相談窓口の開設やセミナーの実施など関係各課一体となり、取り組んでいるところです。
 
 また、ワーク・ライフ・バランスセミナーや商工会議所や県など関係機関との連携による女性活躍推進セミナー、ハローワーク加古川との連携による就業支援セミナーの開催などを通じて、事業者や就労を希望する女性を初め、広く意識啓発を行っているところです。
 
 こうした取り組みにより、計画の成果指標として掲げております子育てと仕事が両立できる環境に満足している市民の割合については平成29年4月現在の38.1%から、平成30年4月現在は42.7%に、また、保育所の待機児童数は平成29年4月現在の77人から、平成30年4月現在、17人に、さらに児童クラブの待機児童数は、高学年の受け入れを拡充しながらも、平成29年4月現在の66人から、平成30年4月現在、28人に、と一定の成果があらわれていると考えております。
 
 男性も女性も一人一人が仕事にやりがいを持ち、充実した生活を送ることができる社会を実現するためには、それを支援する環境づくりと、当事者だけでなく、事業者を含めた社会全体の意識啓発が重要と考えております。
 
今後も引き続き男女がともに仕事と家庭を担う社会の実現という目標に向け、環境整備を進めるとともに女性のキャリアアップ、男性の家庭参画の推進や事業者に対する積極的な働きかけを通じて働く場における男女共同参画の推進に取り組んでまいります。
 以上で、答弁とさせていただきます。
 
【再質問】
 
市長、ご答弁ありがとうございました。
 
 今の市長のお答えの中で、県との連携、ハローワークとの連携というお言葉がありましたが、県との連携というのは非常に重要でして、実際、市民の皆様は、生活していて別に、これは市の担当だねとか、これは県の担当だねというような意識はなく、生活しているものですから、この県との連携で、私が今、質問した分野において、具体的にどのような取り組みをされているのかについて、もし、今、可能な範囲でお聞かせいただけるとありがたいです。
 
【答弁】
 
具体的に、事業名等挙げられればよかったのですが、今、準備ができておりませんので、また追ってお伝えをさせていただけたらと思います。ただ、もうおっしゃるとおり、市民の皆様からすれば、市の業務なのか、県の業務なのか、どちらでやっている事業なのかということは全くその差を意識されず、ほとんどの方が生活されていると思いますので、我々としましても、お互いにどういった事業をしているのかということは常日ごろ、共有をするように心がけておりますし、役割分担がある分野におきましても、きちんと連携をすることで、あっちに行ったり、こっちに行ったりということにならないようには気をつけているつもりでございますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
 
【再質問】
 
 ご答弁ありがとうございます。
 
 あと、特定事業主行動計画について、いずれの数値も目標数値には、例えば年次休業の平均取得日数を14日にしますというのに関して現在11.7日ですとか、女性の管理職の割合は15%にしますという目標に対して現在14.7%ですということで、いずれも目標数値には達していませんけれども、毎年、確実に数値が改善されているということについては、非常に難しい分野なのにすばらしいなという、率直に尊敬いたします。しかし、この数値は改善されていますが、肝心の女性の職員の側が、この流れに乗って、ぜひ、自分も頑張って管理職にチャレンジしたいとか、そういう動きというか、そういう傾向はもう既に顕著にあらわれ始めているでしょうか。
 
もし、わかる範囲でご答弁よろしくお願いいたします。
 
【答弁】
 
今のご質問のような形でアンケートを取ったりしたことはないのではないかと思いますけれども、先ほどの答弁の中でも申しましたように、ここ数年だけ見ましても、もう新しく入ってこられる新任の、新入の職員は半分以上、女性というような状況になってきております。多くの方が、また育児休暇に入られたりしていられているという状況もあります。
 
ですから、私たちといたしましては、いかに、職場復帰を含めて働きやすい環境をつくり上げていくかということに尽力をしているつもりであります。
 
そういう中から、個々人が自分自身の人生をどのように設計してくるかということだと思いますので、私たちとしては、もう一人でも多くの女性の方がどんどんどんどんと上を目指して、また、職場に戻り、働いていただきたいというふうに思っておりますし、ひとえに、今、本人がどのような人生設計をするかというところにもよるのかなというふうにも思っております。
 
 ただ、女性だから、男性だからといって昇進しやすいとか、そういうものではないとは思っていますので、やはり大きな組織でもありますから、ちゃんと実務の経験が整った上で昇格はしてきていただかなければなりません。そういう意味では、私たちは仮に出産を経られましても、女性の方がまたキャリアを継続していくことができるような環境を年々整えていきたいというふうに思っております。
 
【再質問】
 
ご答弁ありがとうございます。
 
 先ほどロールモデルの確立というお話がありましたけれども、これはすごく大切だと思います。
 
なぜなら、実際に立派な概念とかを聞かされても、人間というのは、目の前に、こういうすばらしい、すてきな先輩になりたいなというような人がいなければ、実際には自分の人生にこのすばらしい概念を落とし込むことは難しいんですが、このロールモデルの確立という、先ほど市長がおっしゃったことに関しては、具体的にはどういう取り組みをされているのでしょうか。
 
【答弁】
 
特定の一人の人にフォーカスをして、その人の成功事例をつくっていくというようなやり方をとっているわけでは決してないんですけれども、公平にといいますか、きちんと働きやすい環境を提供していって、一人でも多くのロールモデルが確立されて、また、それを見て、自分もそうなりたいと思うような人がふえるようにしていきたいというふうに思っております。
 
 
【再質問】
 
 ご答弁ありがとうございます。
 
 あと、男性側の意識改革ということも先ほどおっしゃっていましたけれども、実際になかなか、仕事はあくまでも男性がやって、赤ちゃんが生まれたら、女性に休んでねという意識は根強く、まだ残っている部分があると思いますが、その辺に関する抵抗とか、そういうものは感じていらっしゃるでしょうか。
 
 
【答弁】
 
我々自治体といたしましては、例えばワーク・ライフ・バランス自体も含めて、また、女性と男性の役割だったり、男性も育児に参加ができる、また、家事ができるであったり、そういうことも、今、社会のトレンドとしてありますから、民間企業の一つの模範といいますか、範となれるような職場でありたいというふうには思っておりますので、内部におきましては、まさにこういう柘植議員との質疑、答弁も各職員も認識をしているはずですので、例えば男性職員からすれば、あ、自分も育児休暇を堂々と取っていいんだなというふうに思ってもらえると思います。
 
ですから、そういったことを私たちもちゃんと応援できるようにしていきたいと思いますし、また、その人が職場にも戻ってきやすい状況でなければならないとも、周りの職員も思っておりますから、そういう民間企業の一つ範となれるようなことを、自分たちとしては目指していきたいというふうに思っております。
 
【再質問】
 
ありがとうございます。
 
 実際、市役所に就職できる方というのは、やはり能力的にも環境的にも非常に恵まれた方が多いと思うんですけれども、民間のこの地域の中小企業に就職した方々にも、この流れの恩恵を受けれるように、官民挙げて女性活躍を推進する仕組みを強化するために、女性活躍推進法に基づく認定企業、いわゆるえるぼし認定企業が公共調達で有利になるという国の仕組みを加古川市においても導入するといいのではないかなと私は思うんですけれども、市長のお考えをお聞かせください。
 
【答弁】
 
今、ご提案いただいた件につきましても、一度また勉強させていただいて、私なりに研究させていただきたいなというふうに思っております。いずれにいたしましても、いろいろな取り組み、国として進めていこう、価値観を変えていこうというような取り組みがあって、それを進めるために、例えば公共調達において何か仕組みを変えるでありましたり、そういうやり方も一つの手法だとは思いますので、今、ご提案のありました件につきましても、ぜひ勉強させていただきたいなと思います。
 
【最後に】
 
 ご答弁ありがとうございました。
 
 最後にですけれども、今現在は、もう世界、人類社会は物すごいスピードで変化しています。
 
実際に今の日本では個人の努力ではなかなか仕事と家庭を両立させるのは難しい状況、仕事のノルマが厳しくて、かつ子育てにお金がかかるといった厳しい状況がありますので、今後とも市長におかれましては、思い切った仕組みづくりをつくることによって、この地域に生まれ育った方が、この地域で働き、結婚し、出産し、子孫を残したいと思えるような社会づくりに努力してください。よろしくお願いいたします。
 
 以上、私の女性の笑顔で未来を創る会と維新を代表しての質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。