先日、ローカルグッド創生支援機構の事務局長様とお会いしました。
同機構は、地域に魅力のある強いビジネスを、創生・支援するための一般社団法人です。
地域密着型のビジネスは、地理的要因により、事業拡大には限界があります。
また、サービス品質などが大手企業に比べて、見劣りすることがあります。
こうした課題を克服するために、同機構は以下の工夫をしています。
① シェア
都会の大企業は大ロットで調達を行うため、原価率や固定費率を下げることにより競争力が高めることができます。
他方、ローカルビジネスは、このような条件に恵まれていません。
そこで、同機構は、ローカルビジネス事業者が必要なシステムなどをシェアすることにより競争力を高めることを助けます。
② オープン
各地域に特化してがんばっている事業者同士は競合する可能性は低いです。したがって、同機構を通じて、事業ノウハウをオープンにして、共存共栄を目指します。
③ DIT(Do It Together=みんなで供に行う)
同機構は、市場の変化などに対応するため、各事業者が相互に助け合う体制を構築します。

事務局長様の冷静な頭脳と、熱い情熱、そして地方を元気にしたいというぶれない信念・高潔さが強く印象に残りました。

高い志とビジョンをもったプレイヤーが地域にいないと、 日本は変わりません。

昨夜は国立環境研究所社会環境システム研究センター長
の藤田壮氏とお会し、東播磨版シュタットベルケに関して、
以下のアドバイスをいただきました。

・加古川市の強みを活かした、産業共生イノベーションを起こせばよい。
・そのためにはキーマンを巻き込み勉強会を開催するだけでなく、
1年をめどに4つほどアクションプランを立てるとよい。
・そのためには以下の思考手順を踏むとよい。
① エネルギーシステムの効率化
② 需要の確保
③ 地域課題を解決するための様々な住民サービスの展開
④ スマートでコンパクトな街づくり

今現在、シュタットベルケというと一部の方しか興味をしめされないかもしれません。
これは、1990年代前半のインターネットと似ていると思います。
当時インターネットについて語っても、多くの方の心には届きませんでした。
しかし、現在、世界中の老若男女がスマホで常時インターネットに接続し、空気のような当たり前の存在になっています。
そして、1990年代前半、インターネットが世界を変えることを本能的に気づいていた方々は的確な仕込みをしていました。
   
今現在、シュタットベルケの重要性を本能的に気づき、
的確な仕込みをしてる地域と、そうでない地域とで、
10年後、20年後大きな差が生じます。

高い志とビジョンをもったプレイヤーが地域にいないと、
日本は変わりません。
皆様のお知恵、お力をお貸しください。

みやまスマートエネルギー

今朝は、みやまスマートエネルギーの磯部社長とお会いしました。

みやま市は、シャッター商店街の増加、
少子高齢化等の地域課題を抱えています。
これらの社会課題の解決には、資金が必要です。
しかし、人口約3万8000人の同市には潤沢な資金はありません。
他方、同市域で、大手電力会社に支払われる電力使用量の総額は、
毎年約20億円にのぼっていました。
つまりこの金額が毎年域外に流出していました。
そこで、みやま市では、日本版シュタットベルケである、
みやまスマートエネルギー社を創設することにより、
発電事業を立ち上げ収益をあげ、
地域課題を解決することを決めました。
この会社は電力小売りだけを目的とするものではありません。
家庭の電力利用に関するビッグデータを活用して、
高齢者の見守りサービス、買い物支援、電球替え、
犬の散歩などの家事代行だけでなく、
公共料金の支払い、病院、施設、タクシーの予約等が可能です。
つまり、資金の地域内循環を促すことで得られた利益を使い、
地域課題を解決をすることが目的なのです。

このシステムは加古川市をはじめとする、地方都市の地域課題解決の重要なヒントと考えます。