2025年3月5日(水)

加古川市議会において以下の一般質問をさせていただきました。

【質問事項1】

大項目1 公立の教育保育施設の職員のスキルアップに関する取り組みについて 
                              
質問の背景 

昨年の三月議会において私は「認可外保育施設に通う3歳児から5歳児に対する保育料補助制度の創設について」取り上げた。その際、発達の凸凹がある子どもたちをどうサポートするかについて「今度新しく整備します加古川町の新しい認定こども園、そちらにはそういう研修施設というか、研修部門をつくりますので、そこで市内の施設全体でそういう子どもさんたちにちゃんと教育保育ができるようにスキルアップを図っていきたいと考えています。」とのご答弁をいただいた。その答弁について「画一化された保育内容の幼稚園や大規模幼稚園などにはなじめず、通園困難な幼児もいる。以前の答弁では、そのような幼児の心に寄り添う特色ある認可外保育施設の代替えとなりえるこども園なのか心配である」との市民からのお声をいただいたことから以下の質問をする。                 
                                         
小項目1 発達に違いがある子どもたちに寄り添った教育保育のための公立の教育保育施設の職員のスキルアップに関する取り組みについて   
                      
質問事項 

市内の施設全体で、発達に違いがある子どもたちに寄り添った教育保育ができるように公立の教育保育施設の職員のスキルアップに関しての具体的な取り組みについてお聞かせいただきたい。                                   

【質問事項2】

大項目2 加古川市内の全小学校に温水シャワーを設置することについて  
                              
質問の背景 

「小学校でお漏らしをした児童のために温水の出るシャワーを設置して欲しい」とのご相談を市民からいただいた。                         
小学校入学時にトイレトレーニングが完了せずお漏らしをしてしまう児童は決して珍しくない。                                       
その際に温水シャワーで清潔を保つことができないと皮膚がただれて肉体的精神的に非常に辛い状況になる。                                 
このような状況に陥ると学校に対するトラウマとなり不登校につながる恐れすらある。   
これは不登校児童の増加が喫緊の課題である加古川市において看過し難い問題といえる。 
従って温水シャワー設置の必要性は高い。                      
また加古川市の堅実な予算状況からして、温水シャワーを加古川市内の全小学校に設置するために必要な費用を捻出することが困難であるとは言い難い。             
さらにまた文部科学省の小学校施設整備指針、第4章 各室計画9 職員用更衣室及び休憩室(2)によると「職員用更衣室には,シャワー等の設備を設置することが望ましい」と記載されている。このことから温水シャワー設置は我が国の教育指針の方向性とも合致する。
以上より加古川市内の全小学校に温水シャワーを設置することを強く求めることから以下の質問をする。                                   
                                                                                                                                  
小項目1 加古川市内の全小学校に温水シャワーを設置することについて  
                                           
質問事項 

加古川市内の全小学校に温水シャワーを設置することについて、ご所見をお聞かせいただきたい。                                 

【質問事項3】

大項目3 加古川市内の全小中学校にエレベーターを設置することについて 
                     
質問の背景 

「足の不自由な児童生徒や保護者などのために小中学校にエレベーターを設置して欲しい」とのご相談を市民からいただいた。                      
エレベーターが設置されていない小中学校においては、足の不自由な児童生徒や保護者などが乗る車椅子を複数の教職員が持ち上げて階段を上り下りすることにより対応している。   
これは本来授業に集中するべき教職員の業務多忙に拍車をかけるだけでなく、転落の可能性のある危険な行為である。                             
昨今教職員の過重労働が大きな社会課題となっており教職員の働き方改革が求められていることから業務多忙の緩和は無視できない社会的要望である。              
また転落により生命身体の安全を危機に陥れることは許されることではない。      
地域の避難場所でもある小中学校ではエレベーター設置の必要性は他の建物に比べて高い。  
令和2年5月にバリアフリー法の改正により、既存公立小中学校等施設のバリアフリー化が努力義務化されたことから、エレベーターの設置は法の求めるところである。      
令和4年度の文科省による全国の公立小中学校のバリアフリー化の実態調査の中で、特にエレベーターの設置は29%の校舎に止まり、要配慮児童生徒等の在籍するすべての学校に整備する必要(当該調査における約41%に相当)があると、文科省もエレべーターの整備目標を示している。                                    
階段昇降機は機械操作の講習を受けた者が付き添い操作する必要があったり、利用できる対象者が限定されたりすることから、抜本的な解決策とは言えない。           
さらにまた加古川市の堅実な予算状況から設置費用を捻出できないわけではない。    
以上より加古川市内の全小中学校にエレベーターを設置することを強く求めることから以下の質問をする。                                   
                                                                                                                                                            
小項目1 加古川市内の全小中学校にエレベーターを設置することについて 
                     
質問事項 

加古川市内の全小中学校にエレベーターを設置することについて、ご所見をお聞かせいただきたい。
                                

(以下答弁と再質問の繰り返し)

最後に「我が子の発達が周囲のお友達に比べて違いや遅れがあるような気がして不安である」というご相談を受けることがあります。

そういうお子様が「発達障がい」との診断名をつけられることも珍しくありません。

しかしそう言った診断名の有無に関わらず全ての人は得意分野と不得意分野があります。
また各分野ごとに発達の時期やスピードに違いがあります。

その違いゆえに生きづらさを感じることは誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。

幼児期や児童期に抱いた自己イメージはその後の人生に強い影響を与えます。

子供時代に劣等感を植え付けられることにより、その後の人生において自ら選択肢を限定してしまうことはとても悲しいことです。

周囲の子どもたちとの差異に着目して劣等感を抱いたり自己否定に陥ってしまうご家族やご本人のご不安に寄り添いたいと常々思っています。

発達障がいというレッテルそのものにより本質的な課題が改善することはありません。個々の子どもの抱えている課題と丁寧に向き合うことが肝要です。

食の見直し改善や、対象の子どもの心はもちろん保護者の心の課題を認識して寄り添うことも有効と考えます。

この分野における市の取り組みを否定する訳ではありません。

認可外保育施設の中には愛ある理念に基づいて子どもに寄り添い自主性を育むとても優れている施設があります。

昨今そういった保育園の経営基盤が脅かされ存続が難しくなる一方です。

そのような心ある寄り添いを実践している認可外保育施設に子どもを通わせているご家庭への補助などに市としても尽力していただくことを強く求めます。

また質問事項2、質問事項3に関しても質問1と同様に子どもの健やかな成長にかかわるテーマです。

学校でお漏らしした際に、学校に設置された温水シャワーで清潔を保つことができた記憶や、足が不自由な児童生徒が周囲に迷惑をかけているという後ろめたさを感じることなく学校生活を送ることができた記憶はセルフイメージに少なくない影響を与えます。未来を担う子どもが高い自己肯定感をもち次世代の主役として力強く社会を牽引することができる社会をつくることを祈念して質問を終わらせていただきます。
以上