態度表明

令和7年6月17日火曜日 以下の態度表明をさせて頂きました。
議案第49号「和解のこと」について賛成の立場から、態度表明させていただきます。
今からおよそ九年前、ご遺族は、訴訟という選択肢を最後の手段と捉え、可能な限り避けたいとの思いを抱いておられました。それは、教育委員会や学校、そして教職員が事案の本質を真摯に受け止め、誠意ある対応をなされることこそが、子どもたちの未来を守る最も望ましい道であると信じておられたからに他なりません。
しかし、当時の一連の対応は、ご遺族の期待に応えるものとはならず、失望と不信が積み重なる中で、やむなく裁判という道を選ばれました。そして、真実を明らかにすべく、約四年半という長きにわたる法廷での闘いを経て、本議案がようやくここに提案されるに至ったのであります。
この九年という歳月は、ご遺族にとって筆舌に尽くしがたいほどの苦悩と、深い心労の連続であったと拝察いたします。その歩みの一つひとつに、どれほどの痛みと祈りが込められていたかを思うと、胸が締めつけられる思いがいたします。
本議案が、ご遺族にとって未来へと向かう新たな一歩、再出発の契機となることを、心から願うとともに、「和解」というご決断に、深い敬意を表し、そのご意志を尊重申し上げます。
また私は、ご遺族が市長に宛てたお手紙の中に綴られていた、あるお言葉を伺いました。
「娘の生きた証として、いじめ対策の加古川モデルを作りたい、娘と同じような不幸に見舞われないよう、子供たちが平和で安心して過ごせる学校生活を送る事ができるように環境づくりに努力してほしい」
この一文に込められた切なる願いと愛情は、まさに未来の子どもたちへの贈り物であり、かけがえのない使命でもあります。私たちはこの声を、決して風化させてはなりません。
子どもたちの小さなSOSを見逃さず、耳を傾け、気づいたときには迅速かつ誠実に対応すること。加古川市が“いじめ対策のモデル都市”として、全国に向けて希望を発信できるよう、体制整備と人づくりに全力で取り組むこと。
それこそが、ご遺族の願いに応える唯一の道であると、私は強く信じております。
この和解が、過去の清算にとどまることなく、未来への架け橋となることを心から願い、いじめのない社会の実現に向けて、加古川市が先頭に立ち、力強く歩み出すことを切に求めまして、私、柘植厚人の態度表明とさせていただきます。
以上

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