多くの方々の前でお話する貴重な機会をいただきました。
以下お話の最後の部分です。
私は時間に余裕のある日の夕方など、陽日を公園に連れて行きます。
一人っ子で内弁慶の陽日は、初めは緊張して、慎重に周囲を観察していますが、その日は多くの小学生たちが鬼ごっこをしている様子を見て、満面の笑顔でその輪に入っていきました。
小学生たちは、遊びにくそうでしたが、ある女の子は「可愛い天使みたい!歳はいくつ?」と優しく話かけてくれました。また別の女の子は「雰囲気があるから彼女できそう」と誉めてくれます。ガキ大将風の男の子は「何か企んでいそうな良い眼つきをしている」と陽日を高く評価してくれました。
いずれの子どももはち切れんばかりの生命力で生きている喜びを全身で表現していました。
そんな子どもたちを見ていると、世界中の子どもたちや、それに続く全ての子々孫々の幸せを心から願い祈らざるを得ない気持が自然に湧き上がってきたのです。そして私の両親も幼少期の私に対して同様の祈りをしてくれたことを確信しました。
戦争、飢饉、疫病、自然災害などを越えて、命が続いてきた奇跡に手をあわせざるを得ません。
ですから私も生命の大本から連綿と続いてきた祈りを受け継ぎ、息子の健やかな成長をひたすら祈り続けるのです。
今、私は家庭で心がけている実践があります。
それは明るい家庭環境をつくることです。
なぜなら、「明朗こそ、まず己が救われるともしびであり、己のかかげたこの燈火で、人もまた救われる。そして世の光が光明に輝いてくる」と学んでいる通り、
明るい家庭環境は、家族の心身の健康のもとであり、子どもの才能を伸ばすための最も大切な要素だからです。
明るい家庭環境を作るにあたってキーとなるのはお母さんの笑顔です。
このことからお母さんを笑顔にすることがお父さんの重要な役割と信じています。
そして私は、この重要な役割を果たすために妻に対する感謝の言葉を伝えるように心がけています。
「おいしく健康的な食事を作ってくれてありがとう」
「命懸けで出産してくれてありがとう」
「愛情深く育児をしてくれてありがとう」
「私の仕事を献身的にサポートしてくれてありがとう」
など心からのありがとうと笑顔が我が家では飛び交っています。
これらの数多くのありがとうの中でも最大のものは、生命を繋いでくれたことに対する感謝です。
数え切れ合いほどの数のご先祖様から、連綿と続いてきた生命を、命懸けで未来に繋いでくれた妻にはどれだけ感謝しても感謝し切れません。
先日、約35年ぶりに、私が中学校を卒業するまで暮らした家に妻と息子と3人で足を踏み入れることができました。
玄関の扉を開けると一気に子どもの頃の懐かしい記憶が走馬灯のように蘇ってきました。
それと同時に人気のない、家具も食器も何もないがらんとした家に入って、二度と少年時代には戻れないことを思い知らされました。
家族のいなくなった家は本当に寂しいものでした。その寂寥とした景色を眺めていると、新しい家族に対する感謝の念がさらに強くなりました。
愛によって存在させていただいている我々は、最も大切なものはすでに有しており、我々に起こることは全て、最終的には全てと調和してよりよくなるために起こっているとの確信、安心感を得ることができました。
これからもこの確信、安心感の気づきを与えてくれている妻に対する愛情、感謝の気持ちを伝えつづけます。
そして息子、陽日が「自分は数えきれない程の数の御先祖様の深い祈りによって守られている。
何があっても大丈夫、全てこれが良い」と確信して、自分の足でしっかりと人生を歩み、いつの日か新しい家族と新しい物語を紡いでくれると嬉しいです。
以上
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