以下は、先日訪問させていただきました、兵庫県立男女共同参画センター視察調査研修報告書です。 第1 視察(調査)項目 神戸市にある、兵庫県立男女共同参画センター(愛称「イーブン」)において、副所長兼調整課長から、同センターの活動等ついてご教授いただいた。 第2 復命事項(所見及び感想) 質問1 女性活躍推進センターの活動(①女性活躍推進専門員による支援、②専門講師・アドバイザーの派遣、③ロールモデルの発掘と紹介、④各種セミナーの実施、⑤大学等への啓発)の具体的な内容・効果と費用についてご教示ください。 ご回答 ① 女性活躍推進専門員による支援について ・具体的な内容 兵庫県内の企業からの依頼に基づいて、女性活躍推進専門員が企業を訪問し、管理職の方々と以下の4つの基礎項目(①採用者に占める女性比率、②勤続年数の男女差、③労働時間の状況、④管理職に占める女性比率)について女性の活躍を妨げている要因を話し合い、解決の糸口を見つける。 ちなみに費用は無料である。 ・感想 女性活躍をどこから始めればよいか分からない企業の管理職にはそもそも解決すべき課題を把握することが困難である。自社の現状や課題を客観的に把握するために有効な支援と考える。 ② 専門講師・アドバイザーの派遣 ・具体的な内容 社内で女性活躍を推進するにあたって、研修を実施する企業に、より専門的な講師を派遣する。これも費用は無料である。 ・感想 各企業のニーズに応じた内容や講師を選定派遣する支援である。この点においてオーダーメイド型の優れた支援であるといえる。 対象は企業に限定されているため、一般的な勉強会への講師派遣はしていない点が残念である。ただし、一般的な勉強会の講師選定のお手伝いは可能とのことである。女性活躍推進を目指すわが会派の勉強会の講師選定のお手伝いをしていただけるとありがたいと感じた。 ③ ロールモデルの発掘と紹介 ・具体的な内容 専門員が企業訪問で出会ったイキイキと働く女性ロールモデルをインタビューしてホームページなどで紹介している。 ・感想 様々な職種、肩書のロールモデルのインタビューが紹介されている。したがって、その中から自分の境遇に近い方や、共感できる方を見つけることが可能である。ロールモデルはいわば航海における北極星といえる。つまり、キャリア形成の旅路の過程において多少の困難があっても目指すべき憧れのロールモデルがいれば、進む方向がぶれないという効果がある。 ④ 各種セミナーの実施 ・具体的な内容 女性活躍の最新情報や、他社事例の提供、企業の壁を超えたネットワークづくりを目的とするセミナーを実施している。 ・感想 このセミナーは講義のみならず、ランチミーティングやグループワークから構成されている。1日フルに使うものである。このような充実した内容のセミナーを無料で提供していることに感銘をうけた。セミナー参加者の方々のお子様たちを預かる託児室が充実していた。託児室には各種遊具、消臭炭、不審者が侵入した際に警察に容易に通報できる装置が完備されていた。また託児室からの景色が素晴らしかった。眼下には港、駅、鉄道、高速道路を見下ろすことができ、子供たちにも好評であるとのことである。これにより保護者の方々は、子供の心配をすることなく、安心してセミナーを受講することができると考える。 ⑤ 大学等への啓発 ・具体的な内容 就職を考える女子大生等に職業講話を実施している。女性活躍推進の意義やキャリア形成の大切さなどを啓発している。大学生が課外ゼミの一環として当センターに来られた際に啓発を行う場合もある。 ・感想 女子大生が女性活躍推進の意義やキャリア形成の大切さを、腹の底から納得して、ライフプランを立て実践することは重要である。これにより自分の人生を強くしなやかに生きることが可能となる。 質問2 女性活躍推進法の全面施行により多くの分野で女性の参画が進みつつあります。 しかし、各分野の指導的地位に占める女性割合は依然として低い水準にあります。 この理由についてどのようにお考えですか。 ・ご回答 制度的課題、意識の問題など理由は複合的であると考える。 ・感想 男性と伍して戦い、各分野の指導的な地位に立つことを切望する女性も、専業主婦になったり、各分野で責任のある地位に就くことを望まない女性も等しく尊重される柔軟で柔らかい社会になればよいと考える。 第3 全体の感想 女性活躍推進センターの職員の方々がイキイキと創意工夫をして誇りをもって働いておられることに感銘を受けた。女性活躍推進に関する書籍やDVDの展示も書店のようで、大変センスが良かった。例えば人気書籍ランキングの表示をすることにより、利用者の向学心をうまく刺激していた。ここで楽しく学び、新しい職業人生を力強く踏み出すことができる施設であると感じた。またDV被害等により男性に対して恐怖心を抱いている女性が安心して相談することができるように部屋分けをするなど利用者本位の施設となっていた。 以上 投稿日時: 2019年5月28日 投稿者: つげ あつひと Add to favorites