もとを忘れず

今朝の経営者モーニングセミナーで、泉憲治氏が、倫理法人会会員のNさんの御講話の内容をご紹介くださいました。
西郷隆盛に似た堂々たる風貌で、とても暖かいお人柄のNさんは、極道の父と娼婦の母との間に生まれました。
母親は、売春宿を経営されたこともあり、Nさんは、家庭の団らんとは無縁の、孤独な幼少期を送られました。
Nさんが小学生のとき突然、実家が家宅捜査を受けました。
それを機にNさんは児童養護施設に入所しました。
その後Nさんは母親と同居するも、母親がNさんの給料を会社から前借しようとしたことに激高し、絶縁されました。
それから何年も経過した後、遠方の役所から連絡があり、危篤状態の母親のもとに駆けました。
Nさんは、母の遺品を整理するために、ボロボロの住居に入ると、神棚の上に、幼いころのNさんと両親が三人で撮影した写真が飾ってありました。
おそらく母がその写真に手を合わせて暮らしておられたと思われます。
そこでNさんは、万人幸福の栞の以下の箇所をおもいだされました。
「最も大切な、わが命の根元は、両親である。この事に思い至れば、親を尊敬し、大切にし、日夜孝養をつくすのは、親がえらいからではない、強いからではない。世の中にただ1人の私の親であるからである。私の命の根元であり、むしろ私自身の命である親だからである。
ほんとうに、父を敬し、母を愛する、純情の子でなければ、世に残るような大業をなし遂げる事はできない。いや世の常のことでも、親を大切にせぬような子は、何1つ満足にはできない。」

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