北海道PCB廃棄物処理施設

北海道PCB廃棄物処理施設で勉強させていただきました。そこでは以下の点を学ばさせていただきました。①この施設を運営しているJESCO中間貯蔵環境安全事業株式会社は、PCB廃棄物の処理を行うため2004年に100パーセント政府出資により設立された。②PCBとはポリ塩化ビフェニルの略称であり、工業的に合成された化合物である。③電気絶縁性が高い、燃えにくい等の化学的に安定的な性質を持つことから、電気機器の絶縁油、熱媒油、潤滑油、ノンカーボン紙等様々な用途で使用されてきた。1968年に発生したカネミ油症事件を景気としてPCBによる人体への影響が問題となり、難分解性、高蓄積性、長期毒性等の観点から1974年に製造や新たな使用が禁止された。④当施設では国が定めたPCB廃棄物処理基本計画に基づき、安全確実な無害化処理を行っている。全国には同様の施設が、他に4施設存在している。当施設は他の施設で得た実証データーを活用して設立された。そのため大きな事故も無く安全に運営されている。⑤当施設は当初処理施設と増設処理施設からできている。当初処理施設の処理対象物は、高圧トランス、高圧コンデンサ、PCB油である。他方、増設処理施設の処理対象物は安定器、感圧複写紙、小型電気機器、運転廃棄物等である。当初施設ではPCBにナトリウムを混ぜ、ビフェニルと塩化ナトリウムに分解することにより無害化する。増設処理施設にあるプラズマ溶解分解炉は15,000℃以上のプラズマを照射してドラム缶ごと溶解しPCBを分解する高性能の炉であり、一基約120億円と高価なものである。いずれの処理施設においても卒業判定を行うことにより無害化されたことを確認する。⑥安全確実な処理を行うために、オイルパン、漏洩検知器、床面における浸透防止対策、隔離作業手袋、保護具等の配慮がなされている。さらに処理施設内空気を減圧することにより、万一壁面が破損しても外部汚染が起こらないようになっている。⑦さらにまた高潮対策のために施設全体が、過去の最高潮位よりも約3メートルかさ上げされている。⑧見学ルート、情報公開ルーム等積極的に情報を行うことにより安心感、信頼を醸成している。

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